映画「キラークイーン」シリーズ 深崎ゆづきインタビュー|桃子のように、環境に合わせて変わっていくのが普通の人なのかな。

俳優 深崎ゆづきInterview

深崎 ゆづき(ふかざき ゆづき)

俳優。主な出演作に『キラークイーン/Beyond School』(2024年)、『キラークイーン/Phantom School』(2026年)など。『キラークイーン』シリーズでは、動画配信者“MJ”こと城島桃子役を演じる。2026年12月公開予定の『超塑性変形』にも出演。

( Chapter 01 )

人前で表現する、という感じではなかった。

──深崎さんが、俳優や表現活動に興味を持つようになった原点を教えてください。子どもの頃から、人前に出ることが好きだったのでしょうか。

深崎ゆづき(以下、深崎):子どもの頃から、クリエイティブなことには、とても興味を持っていました。中学生くらいなると、目立つこと自体は好きだったんですけど、どちらかというと、オシャレして写真を撮りたいとか、カラオケに行って盛り上がりたいっていうタイプでした。

だから、「人前で表現する」という感じではなかったです。また委員会や部活動にも消極的でした。唯一楽しかったのは図書委員会ですね。

もともと人見知りなのもあって、ずっと図書室で先生や仲間の子と話していました。

── 『キラークイーン/Beyond School』で城島桃子と出会ったとき、最初はどんな人物だと思いましたか。深崎さん自身と似ているところもありますか。

深崎:似ている部分は、素直なところですかね。レイナやアンズの能力に対しても偏見を持たずに、「私の友達すごいでしょ! 見てみて!」くらいにしか考えていない。レイナ本人は普通の人間に戻りたいと考えているので、桃子の行動は悪手なんですけど(笑)。

でも、他人に悪意や偏見を持たないところは桃子の良い部分でもあるし、そこは自分に似ているのかなと思います。理解しづらかった部分は、あまりありません。

ただ、桃子は『BEGINS』から登場していて、そのときは髙橋監佑輔督から「気だるげなギャルで」と言われていたんです。それが『Beyond School』では全然違う性格になっていたので、そこは戸惑いました。

自分なりに辻褄を合わせようとしたら、髙橋輔監督から「合わせなくていい」と言われたので、その指示に従いました。

( Chapter 02 )

「私の友達すごいでしょ! 見てみて!」くらいの素直さ。

──以前、桃子について「非日常に対して憧れを持っている純粋で素直な女の子」と話していました。“怖いから避ける”のではなく、“面白そうだから近づいてしまう”。今は、そんな桃子をどう捉えていますか。

深崎:そういう人も必要だと思います。裏表がなくて、分け隔てなく人と付き合える友好的な女の子。だから、アカネとも比較的仲が良かったんじゃないかなと思います。

──桃子は、自分自身もカメラを持って友人たちを撮影する人物です。「撮っている桃子」を演じるときに、意識したことはありましたか。

深崎:リアルJKを意識しました!私自身、普段から友達との旅行中にビデオを回しまくって怒られているので(笑)。そこは素に近くて、やりやすかったです。

── 『Phantom School』では、桃子が軽い気持ちで公開した動画によって、レイナの秘密が世の中へ広がってしまいます。悪意はなかったとはいえ、友人の人生を変えてしまう行為です。桃子は、その責任をどう感じていたのでしょうか。

深崎:本編では使われていないんですが、実は最初の脚本では、冒頭で桃子がレイナからコテンパンに怒られているんです。その場面が削られてしまったので、逆に桃子にとってはきつかったんじゃないかな、と。責任は感じているはずです。

ただ、彼女だけは一般人で、比較的安全圏にいる。そこは、なんとも言えない部分がありますね。

( Chapter 03 )

桃子は、最初から自分を傍観者だと思っていない。

──『Beyond School』では事件を“記録する側”だった桃子が、『Phantom School』では自分自身も異世界へ巻き込まれていきます。その変化を、どう捉えましたか。

深崎:前作と今作を比べて考えても、桃子本人は最初から自分を「傍観者」だとは思っていないんですよね。そこが面白いです。

演技については、『Phantom School』では学生組の中で桃子だけ芝居が浮いて見えるということで、髙橋監督から「テンションを少し抑えて、リアリティラインを上げてほしい」と言われました。なので、今回はそこを意識して演じています。

──レイナとアンズは、シリーズの軸となる幼馴染です。その二人の間にいる桃子は、どんな存在なのでしょうか。

深崎:レイナとアンズ、二人の関係は作品の軸でもあるし、見どころですよね!

桃子は、スパイスというか、マスコットみたいな感じ。時々画面に映り込んで、楽しそうにしているな〜くらいの存在であればいいなって思っています(笑)。

現場でのリアルな深崎は、インディーズ映画ということもあって、実はずっと制作部さんのお手伝いをしていました。自分の出番じゃない時間も結構動き回っていて、ほかのキャストさんとは、そこまでゆっくり話せなかったんです。

といっても役者なので特別なスキルがあるわけでもなく、ずっと買い出しに行ったり、片付けをしたりしていました(笑)。素敵な役者さんばかりだったので、そこは心残りですね。

でも、サラハさんも愛子さんも、とっても華やかな美少女で、オーラがあって、現場でもみんなに元気を与えていました。めっちゃ尊敬するし、憧れるし、大好きです!

( Chapter 04 )

環境に合わせて変わっていくのが、普通の人なのかな。

──『Beyond School』から『Phantom School』まで経験して、自分自身が変わったと感じるところはありますか。

深崎:精神的には、すごく成長したかなと思います。ただ、自分の成長スピードには、あまり満足していないです。もっと演技が上手い人もいるし、もっとフォロワーが多い人もいるし……。引き続き、精進していけたらと思っています。

──髙橋監督の現場をシリーズを通して経験して、俳優として身についたものはありますか。

深崎:髙橋監督の現場は、どこよりも肉体的にキツいので、体力がつきました!もう、ほかのどこの現場に行ってもピンピンしています!そこが最大の強みです!(笑)

──最後に、城島桃子は深崎さんにとってどんな役になりましたか。もしこの先も桃子の人生が続いていくなら、どんな人物になっていくと思いますか。

深崎:城島桃子にとって、『キラークイーン』で大好きな仲間たちと過ごした数日間は、一生忘れられないものになっているはずです。一旦、彼女の物語はここで終了というか、この先の桃子は、性格も含めてまた変わっていくんじゃないかなと思います。

実際、三部作すべてで性格が変わる役なんですよね。レイナやアンズのように、一本芯が通っているヒーローではない。でも、桃子のように、置かれた環境に合わせて変わっていくのが、むしろ普通の人なのかなと思います。