【REVIEW FILE】悪夢を覗いた目撃者たち|映画人が語る『カム・トゥルー 戦慄の催眠実験』

眠れば、夢を見る。
けれど、その夢がこちら側へ近づいてきたら――。
アンソニー・スコット・バーンズ監督が描く『カム・トゥルー 戦慄の催眠実験』
不眠症に悩む少女サラが参加した睡眠実験。そこで記録されていくのは、眠っている人間の脳だけではなかった。
映画を観た二人から寄せられた応援コメントをご紹介します。

浅尾典彦(作家・夢人塔代表)

夢がアナタを追いかけて来る!! フロイトの「夢判断」やユングを引き合いに出すまでもなく、「夢」はヒトの心の奥底にある本質を知る手掛かりとして昔から研究されて来た。また「悪夢」は映画の題材にもよく使われる。ルイス・キャロルの「アリスの世界」を心に住まわせていると云うアンソニー・スコット・バーンズ監督の長編デビュー作は、その「悪夢」がテーマ。不眠症のサラが体験する恐怖の夢実験とは? 回廊を思わせる悪夢イメージは素晴らしく、ジュリア・サラ・ストーンの薄幸な表情がたまらない。

多田遠志(映画ライター)

家出少女サラを苦しめる、眼を光らせ迫ってくる黒い影の悪夢。参加した睡眠実験のプロセスが進むほど、影は濃さを増し近づいてくる。その現象は他の被験者や研究者を巻き込み、さらなる恐怖の事態に繋がっていく…。冷え冷えとしたカナダの風景と無機質な実験室、奇怪な睡眠測定装置など、D・クローネンバーグ初期作品を彷彿とさせる作品だ。悪夢とともに頻発する超常的な出来事は、金縛りなど入眠時心霊現象の独自解釈として興味深い。全ての疑問が氷解すると同時に最大の衝撃が襲うラスト、この感覚はまさに「未体験ゾーン」だ。

眠った先に、何がいる。

夢なのか。
実験なのか。
それとも、眠りの向こう側に本当に“何か”がいるのか。

二人の言葉の先にある『カム・トゥルー 戦慄の催眠実験』。
どうぞ、眠る前ご鑑賞ください。

現在、U-NEXTほか、各動画配信サービスにて配信中。