映画『耳袋夜噺「手毬の少女」』ナナエ インタビュー|「怖い」の向こうにいる、もうひとりの私。

俳優 ナナエ Interview

ナナエ
幼少期より芸能活動を始め、映画を中心に俳優として活動。ホラー作品への出演経験を重ねる一方、自ら監督・脚本も手がける。映画『耳袋夜噺』の一編、美濃良偲監督作「手毬の少女」では、霊感を持つ高校生タレント・桜庭夕を演じる。

現在は看護学生として学びながら、俳優として医療職の役にも意欲を見せる。監督としては、人が他人には見せない悩みや感情をテーマにした作品づくりを目指し、ホラー映画の監督にも関心を寄せている。

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( Chapter 01 )

カメラの前の私、素顔の私。

── 最初に「手毬の少女」の脚本を読んだとき、桜庭夕という人物をどう感じましたか。

ナナエ:内気で口数が少ないという設定の女の子ということで、カメラの前ではタレントとして頑張って明るくふるまうような子なのではないかと思い、カメラが回っている時と回っていない時の表情や声のトーン、大きさにメリハリをつけられるように意識しました。

── 高校生タレントを演じることに、ご自身の芸能活動の経験が重なることはありましたか。

ナナエ:小さい頃は霊感も持っていたので、私は「桜庭夕」にとても似ているなと思いながら終始演じさせていただきました。

カメラの前にいる自分や人前に出ている自分は、アイドルのような明るく女の子らしい女の子でいることをどこかで意識していたことを思い出し、桜庭夕もそんな女の子でいることを意識しました。

一方で、素の自分もまた桜庭夕のように、内気で引っ込み思案な部分があると演じながら思いました。普段人前に出させていただいている分、私生活では内気な性格になりがちなのかな?と思いました(笑)。

( Chapter 02 )

聞こえない手毬唄に、怯える。

── 物語の舞台となる廃校。実際の撮影場所では、どんな感覚がありましたか。

ナナエ:京都の廃校という設定ではあるのですが、実際の撮影場所はなんと!今も使われている都内の学校なんです!(笑)

今も使われているからこそ、実際の生徒さんの作品たちが廊下や階段にわー!っと並んでいて、撮影しているたびにすごいなあと見させていただいていました(笑)。

── 「手毬唄」という音の怖さを、どのように受け止めて演じましたか。

でも撮影は暗くなった後の夜まで続いていたので、暗い廊下や暗い階段に並ぶ作品たちはとっても怖く感じてしまいました…。

ナナエ:実際の撮影現場には唄は流れていなかったので、私を含め劇中の俳優さんたちは想像で怖がるお芝居をされていました!

日常生活で急に唄が聞こえてくる経験はしたことがなかったのですが、霊感を持っていて学校に来た時から何か変かもしれない…という表情をしていた桜庭夕が実際に唄を聞いてしまったらどれだけ怖いだろうという想像を通して心情を撮影に入るまでに考えていました。

表情としては、とにかく全力で走っているんだ!ということが観客の方に画で伝わるように疲労感を出すことを意識しました。また、戸惑っている雰囲気や焦っている感情も夕の中にはあると思い、視線や呼吸を通して表現できるように頑張りました!

── まだ何が起きているのか分からない段階の不安など、恐怖の変化をどのように演じ分けましたか。

ナナエ:まだ確証はないけどこわいな。という不安を持っている段階では、本当はもうここから逃げ出してしまいたいけどスタッフの方の心配や自分しかこの学校にいないから何とかしなきゃ!というような使命感のような物も少し持ちながら進んでいくお芝居をさせていただきました。

その時には、とにかく頭の中をはてなマークでいっぱいにして、目だけでなく口や鼻などの細部の動きにも自然に表れるように演じました。

「怖い。不安。」という感情の夕がほとんどであるからこそ、少しでもほっとしたときには柔らかい声質、歩き方に表出することも心がけました!

( Chapter 03 )

監督のまなざし、その先にあるもの。

── 共演者の皆さんとは、どのように関係をつくっていきましたか。

ナナエ:撮影日とは別日であった本読みの際に初対面をさせていただいて、その日に実際に動きをつけてお芝居をさせていただいたので、皆さんと自然に会話がうまれて距離も縮まったように感じました。

その日のおかげで撮影日に再びお会いした時も最初から「この前のように頑張ろう!」という雰囲気がうまれていたのではないかと思います!

改さんと同じシーンはあまりなかったのですが、楽屋やカメラ外では朝から夜まで現場を明るい雰囲気に包んでいただきました!

奈々さんとは一緒に走るシーンが多く、私は運動音痴だったので励まし合っていた記憶があります…笑

望菜ちゃんとは撮影日が初対面でしたが、私のリュックに付けていたシルバニアファミリーのお話やアニメのお話を楽屋でできて、役の設定に関わらず和気あいあいとした撮影現場でした!(笑)

── 美濃良偲監督から受けた演出で、特に印象に残っているものはありますか。

ナナエ:劇中で林綾乃やカメラマンがとっても驚くシーンがあるのですが、そんな中でも桜庭夕は一点を見つめるような驚き方をするという指導を受けて、最初は他の二人のように驚こうと思っていたので、霊感を持つ内気な女の子はそういう驚き方もするんだという発見ができてとても勉強になりました!

── ご自身も監督・脚本を手がけていますが、俳優として現場にいるときに、つくる側の視点が顔を出すことはありますか。

ナナエ:撮影中に「ここってどういう画になるんだろう」とか、「監督はここで何を見せたいんだろう」と考えることはあります。

一方でそこを気にしすぎると、自分がどう映っているかとか、どう見せたらいいかっていうことに意識がいってしまって、役としてその場にいることから離れてしまう気がするのであまり考えすぎないようにしています。

撮影を通してたくさん勉強させていただけたのですが中でも、ラストシーンを撮影する際には、私の顔周辺に汗のメイクまでしていただいて、監督の細かいところへのこだわりを感じました…!!

── 完成した「手毬の少女」を観て、撮影中とは違って見えたものはありましたか。

ナナエ:完成したものを見た時は現場での想像といい意味で全然違うなと感じました!撮影している時は夕の感情やその場で起こっていることに意識が向いていたので、編集が加わった映像では客観的にみることができました。

特に音楽が加わったことで登場人物が抱えている感情が浮かび上がってくるように感じました。手毬唄と合わせて少女を見た時に、構成をわかっていても怖すぎて思わず顔をそむけてしまいました(笑)。

( Chapter 04 )

人が見せない心を、映画にしたい。

 ── これから俳優として演じてみたい人物やジャンルはありますか。

ナナエ:今後演じてみたい人物は、医療職の役をやってみたいと思っています!実際に看護学生としても頑張っているのでその知識や今までの経験を活かして新たな役にチャレンジしてみたいと思っています!

小さいころからホラー作品に携わらせていただくことが多かったので、今後もホラー作品への出演を通して表現力を鍛えたいという気持ちもあります!

── 監督・脚本として、これからどのような作品をつくっていきたいですか。

監督としてとりたい作品は、人の人には見せない側面をテーマにした作品に挑戦したいと思っています!人間誰しもが他人には見せない悩みや感情を持っていると感じているので、そういうものを抱えながら生きている人全員にとっての力になれるような作品を撮りたいと思っています…!

もちろんホラー作品を撮ることも夢の一つで持っています!ホラーは音楽や画角、構成など様々な視点からどう観客に「怖い」と感じていただけるのか、奥が深すぎると常に感じています。なので、実際に撮らせていただける時にはぜひ美濃監督にも助言をいただきたいですっ…!(笑)

ナナエさん出演の映画『耳袋夜噺「手毬の少女」』は、名古屋 シネマスコーレにて上映予定!